ハンドメイドは材料費がかかる働き方です。だから最初に押さえるのは、判定に使うのは売上ではなく、材料費などを引いた残り(所得)だということです。

判定に使うのは売上ではなく所得

売上と所得は別物

売上 25万円

minne・Creema・イベント販売の合計

経費 12万円

売れた作品の材料費・販売手数料・送料・梱包材

所得 13万円

判定に使うのはこの数字

材料費の数え方には注意点があります(経費の記事で扱います)。

材料費には「売れた作品に使った分だけ」という数え方のルールがあります。年末に材料や作品が残っていると、買った材料費の全額をその年の経費にはできません。ここは経費の記事の本丸なので、そちらで詳しく扱います。

会社員の副業なら、この所得をminne・Creema・委託販売・他の副業ぜんぶ合算して、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えるかで判定します。販売サイトごと・作品ごとではありません。

いつの年の売上に数えるか

20万円や基礎控除の判定は「その年の所得」で行うので、年末をまたぐ取引をどちらの年に入れるかで結果が変わることがあります。原則は入金日ではありません(共通編)。ハンドメイドで効くのは、ここから先の販売の形ごとの決まりです。所得税基本通達36-8が挙げています。

(1) 棚卸資産の販売(試用販売及び委託販売を除く。)による収入金額については、その引渡しがあった日

(3) 棚卸資産の委託販売による収入金額については、受託者がその委託品を販売した日。ただし、当該委託品についての売上計算書が毎日又は1月を超えない一定期間ごとに送付されている場合において、継続して当該売上計算書が到達した日の属する年分の収入金額としているときは、当該売上計算書の到達の日

作品は棚卸資産なので、自分で売る販売(ネットショップ・イベント)は「引渡しがあった日」、お店やイベント主催者に預けて売ってもらう委託販売は「受託者が売った日」になります。委託販売には例外があり、売上計算書が1か月を超えない間隔で届いていて、継続してその到達日で計上しているなら、到達日でもよい——という形です。「今年はこっち、来年はあっち」と使い分ける扱いではありません。

年末をまたぐときの数え方
  • 12月に発送、入金は翌年1月

    発送した年の売上

    引渡しがあった日で数えます。

  • 委託先で12月に売れ、報告と入金は翌年

    原則は売れた年

    売上計算書が1か月以内ごとに届き、継続して到達日で計上しているなら到達日でもよい。

  • 12月に注文、発送は翌年1月

    発送した年の売上

    引渡しが基準なので、注文日ではありません。

所得税基本通達36-8に基づく整理です。自分の販売がどの形に当たるか迷う場合は税務署に確認してください。

入金ベースで書くなら年末の未入金を足す

とはいえ、販売サイトの入金は締め日のあとにまとめて振り込まれます。記帳のたびに引渡し日を拾うのが大変な場合に使えるのが、国税庁の「帳簿の記帳のしかた」にある簡易な方法です。

ハ 掛売上の取引で保存している納品書控・請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取った時に現金売上として記載することができる(ただし、年末に売掛金の残高を記載する。)。

日々は入金ベースで書いてよい代わりに、年末時点でまだ入金されていない分(売掛金)を残高として記載するのがセットです。12月に売れて1月に振り込まれる分は、ここで拾われます。

20万円を少し超えるか超えないかの年は、この拾い方で結論が変わります。販売サイトの売上明細(販売日が分かるもの)は、入金明細とは別に残しておいてください。

共通の基準は共通編へ

20万円ルールの原文・専業の基礎控除・住民税の申告・計上時期の一般的な考え方は確定申告はいくらからの共通編へ。

扶養に入っている人は判定が別に2つある

ハンドメイドは、配偶者の扶養に入ったまま始める人が多い働き方です。専業(給与なし)の確定申告の要否は基礎控除(令和8年分は合計所得489万円以下で104万円)が目安ですが、それとは別に、

  • 税の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)は、あなたの合計所得で判定
  • 社会保険の扶養(130万円基準)は、見込み収入で判定・自営業は必要経費控除後の金額で見る

という別々の判定があります。確定申告が不要な所得でも、扶養の判定には影響しうるので、扶養に入っている人はこの2つを別に確認してください。

まとめ

  • 判定は売上ではなく所得。材料費は「売れた作品に使った分だけ」を引く
  • 会社員の副業: 給与以外の所得の合計が20万円超で所得税の確定申告(販売サイトごとではなく合算)
  • 専業: 基礎控除(令和8年分は104万円)が目安。住民税の申告は別に必要。原文は共通編へ
  • 自分で売る分は引渡しがあった日、委託販売は受託者が売った日で数える(通達36-8)。入金日ではない
  • 入金ベースで記帳するなら、年末に売掛金の残高を記載するのがセット
  • 扶養は税と社会保険で判定が別

次は材料費と経費の数え方です。