結論から書きます。住民税の経路は仕組みとして手当てできますが、保証はなく、公開されている販売ページには効きません。

ハンドメイドの所得は自分で納付の対象側

ハンドメイドの所得は事業所得または雑所得なので、確定申告書第二表の「自分で納付」の対象側です。ハンドメイドと並行してアルバイト給与がある場合、その分は原則合算です(給与にはこの欄が効かない)。

赤字の年は給与側の住民税が動く

「自分で納付」が効くのは、黒字の副業所得にかかる住民税の行き先です。逆に、ハンドメイドの所得がマイナスになった年は話が変わります。出店料や設備、送料などが売上を上回る年は、そうなることがあります。

まず所得税で、赤字を他の所得から引けるかどうかは所得の種類で決まっています。国税庁のNo.2250は、損益通算の対象に事業所得を挙げたうえで、こう注記しています。

(注2) 配当所得、給与所得、一時所得および雑所得の金額の計算上損失が生じることはありますが、その損失の金額は他の各種所得の金額から控除することはできません。

そして住民税の所得割は、同じ計算の例によって決まります(地方税法313条1項・2項)。

所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする。

前項の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額は、この法律又はこれに基づく政令で特別の定めをする場合を除くほか、それぞれ所得税法その他の所得税に関する法令の規定による所得税法第二十二条第二項又は第三項の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算の例により算定するものとする。

赤字の年に住民税で起きること
  • ハンドメイドが事業所得で赤字

    給与と損益通算される

    総所得金額が下がり、給与だけで計算した場合より住民税が小さくなる計算。その差は給与から差し引かれる側に出ます。

  • ハンドメイドが雑所得で赤字

    他の所得から引けない

    No.2250(注2)。給与側の住民税は、給与だけで計算した場合と同じです。

  • ハンドメイドが黒字

    「自分で納付」を希望できる側

    給与以外の所得の分。保証ではない点は共通編へ。

地方税法313条とNo.2250に基づく計算の整理です。勤務先がどう受け止めるかは、当サイトでは判断しません。

つまり、事業所得の赤字を申告して損益通算した年は、「自分で納付」に丸を付けても手当てできない形で、給与から差し引かれる住民税の額が変わることになります。これは隠すかどうかの話ではなく、損益通算が住民税にもそのまま反映されるという仕組みの話です。事業所得か雑所得かの判定そのものは開業届の記事の線引きで確認してください。

税務と関係ない経路がある

ハンドメイドは作家名・作品・SNSが公開される働き方です。作風・写真・イベント出店から本人にたどり着く可能性は、住民税をどう納めても消えません。イベントで対面販売する日は、路上で働く配達員と同じく「見られる」経路もあります。就業規則で副業がどう扱われているかの確認も、税務とは別に必要です。

住民税の仕組みと自分で納付は共通編へ

通知書の経路・「自分で納付」の効く範囲と限界・無申告の罰則は会社に知られたくない人の共通編へ。

まとめ

  • ハンドメイドの所得は自分で納付の対象側。並行するバイト給与には効かない
  • 事業所得で赤字の年は給与と損益通算され、給与から差し引かれる住民税の額が変わる(地方税法313条・No.2250)。雑所得の赤字は通算できないので動かない
  • 公開されている販売ページ・SNS・イベント出店には効かない。就業規則の確認は別途

次は会計ソフトの選び方です。